法人税の計算の仕組み
法人税は、その法人の「各事業年度の所得の金額」に法人税率を乗じることで計算されます。つまり次のとおりです。
法人税 = 各事業年度の所得の金額 × 法人税率
なお、「各事業年度の所得の金額」とは、法人税法上の利益で法人税の課税標準となるものです。各事業年度の所得の金額は法人税申告書別表4において、会計上の確定決算利益に法人税法上の別段の調整を行うことで計算されます。
利益と所得の違い
会計上の利益は期間業績の適正化の観点から費用及び収益を発生ベースで計上することを基本としています。
それに対して法人税法では課税の公平や税収の安定化という観点等から費用の見積計上等を認めておらず、また一定の課税上の配慮から交際費等を税金計算上の費用と認めていません。したがって利益と所得とは完全には一致しない(=差異が発生)こととなっています。
なお法人税法上の所得は次のように、会計上の利益を基礎として、そこに一定の調整を加えることで計算されます。
所得の金額 = 当期純利益 + 損金不算入・益金算入 − 益金算入・損金算入
企業会計の利益と法人税法の課税所得の差異
このように、法人税法においては所得の金額を会計上の利益に一定の調整を加えて計算することとしているため、その計算された課税所得の金額と調整を加える前の当期純利益の金額に差異があるときは、法人税等の額が法人税等を控除する前の税引前当期純利益と期間的に対応しないこととなります。
したがって、この期間的なズレを調整するものとして税効果会計が必要とされます。
税効果会計の意義:目次
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