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勤務税理士。税務はもとより資金繰り、財務関係も詳しいです。休日に植物いじるのが趣味。法人税法合格済。

税効果会計の対象

2025/1/26

永久差異とは

永久差異とは、この会計と税務のズレのうち、永久に解消しないものをいいます。永久にその差異が解消しないため永久差異は税効果会計の対象とはなりません。 永久差異の具体例 交際費等の損金算入限度超過額:会社が支出した交際費等の金額のうち、法人税上の損金算入限度額を超える部分の金額 寄付金の損金不算入額:会社が支出した寄付金の金額のうち、法人税上の損金算入限度額を超える部分の金額 損金経理延滞税等:延滞税等の租税公課については、法人税上損金とならない 受取配当金の益金不算入額:会社が受け取った配当等の額のうち、一 ...

税効果会計の対象

2025/1/23

スケジューリング不能な一時差異

一時差異とは、この会計と税務のズレのうち、いずれ解消するものをいいます。いずれ解消する差異であるから一時的な差異=一時差異です。 一時差異は将来減算一時差異、将来加算一時差異、スケジューリング不能な一時差異に分類されます。 将来減算一時差異と将来加算一時差異については↓で解説を行いましたのでこのページではスケジューリング不能な一時差異について解説します。 スケジューリング不能な一時差異 スケジューリング不能な一時差異とは、次のいずれかに該当する、税務上の益金又は損金の算入時期が明確でない一時差異をいいます ...

税効果会計の対象

2025/1/26

税効果会計の適用が任意の会社

税効果会計の適用が任意とされている会社とは、主に中小企業です。 中小企業については金融商品取引法の適用を受けないため税効果会計の適用は任意です。 なお、中小企業はその多くが税務会計ベースで会計処理を行っているため、会計と税務にズレがほとんど発生しないのが普通です。その結果、税効果会計を適用してもしなくてもほとんどの場合で重要な影響がない場合が多いです。 しかし中小企業といえども、重要性の高い一時差異があるような場合には積極的に税効果会計を適用するべきです。理由は次のとおりです。 中小企業とは まず最初に中 ...

テンプレート

2025/1/5

税効果会計の全体像計算Excelテンプレート

税効果会計に関しては会計学の一論点として、会計処理の面から解説されることがほとんどです。 しかし現実の会社の経理において、税効果会計を適用する場合には会計処理だけでなく、法人税申告書の別表調整についても考える必要があります。そして法人税申告書の別表調整は税理士試験における法人税法の受験範囲になっていてその受験範囲においてもかなり難解な論点として位置づけられていることから分かるとおり、かなり難解なジャンルです。 つまり、法人税申告書の別表調整についてかなり熟知している人以外には到底理解できません。 そこで、 ...

税効果会計とは

2025/1/23

税効果会計の具体例

税効果会計とは、会計上の利益(税引前当期純利益)と税務上の利益(課税所得)にズレがある場合において、会計上の利益(税引前当期純利益)に見合った税金費用が損益計算書に計上(法人税等として計上)されるように、法人税等の額を適切に期間配分することにより税引前当期純利益と法人税の額等とを合理的に対応させることを目的とする会計上の手続きを言う。と一般的に説明されます。 なお、初見でこれを読んで意味が理解できる人はかなり少数だと思いますのでどういうことなのか、実際に具体例で説明してみたいと思います。 税効果会計の具体 ...

税効果会計の具体例

2024/12/29

納税充当金

税効果会計を適用した場合の法人税申告書の別表調整を含めた税効果会計の全体像を自動集計するExcelテンプレートを作成しました。 今回は未払法人税等のうち事業税部分の税効果会計の適用について当ブログで配布しているExcelテンプレートを使って、次の三点について解説します。 税効果会計の仕訳 税効果会計適用後の損益計算書の末尾 税効果会計を適用した場合の法人税申告書別表調整 未払法人税の事業税部分 法人の決算手続きにおいては、法人税、住民税及び事業税の当期確定額を未払法人税等として未払計上します。 (借方)法 ...

税効果会計の具体例

2024/12/29

繰越欠損金

税効果会計を適用した場合の法人税申告書の別表調整を含めた税効果会計の全体像を自動集計するExcelテンプレートを作成しました。 今回は繰越欠損金の税効果会計の適用について当ブログで配布しているExcelテンプレートを使って、次の三点について解説します。 税効果会計の仕訳 税効果会計適用後の損益計算書の末尾 税効果会計を適用した場合の法人税申告書別表調整 繰越欠損金とは 法人税法の制度で繰越欠損金の繰越控除というものがあります。 簡単に説明しますと、会社がある事業年度の決算で赤字だった場合には、その赤字を翌 ...

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税効果会計の具体例

2024/12/28

特別償却準備金の積立て・取崩し

設例(☓1期) 剰余金の処分により特別償却積立金を100万円積み立てた。(実効税率は40%とする)   税効果会計の解説 剰余金の処分により特別償却積立金100万円を積み立てた場合、積立時に積立金の積立額に相当する損金が発生し課税所得が減少しますが、積立てを行った翌期以降に積立金の取り崩しが行われること通じて将来の課税所得が増加します。したがって準備金の積立は将来加算一時差異に該当します。   税効果会計の仕訳 積立金の積立額100万円に40%を乗じた40万円について繰延税金負債を計上 ...

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税効果会計の具体例

2024/12/28

売上計上漏れ

設例(☓1期) ×1期に売上高計上漏れ100万円が発覚した。(実効税率は40%とする)   売上計上漏れの税効果会計の解説 ×1期の申告手続き中(決算後)に売上高の計上漏れが発覚した場合、既に×1期の決算は確定しているため×1期の売上高を修正することはできません。しかしその売上計上漏れが発覚したのが法人税の申告前である場合には、修正申告によらず税務上の課税所得を正しい金額に修正することで対応します。 この売上高計上漏れ100万円は当期の課税所得に加算され当期の法人税等の額を増加させますが、×2期 ...

税効果会計の具体例

2024/12/29

貸倒引当金繰入超過額

税効果会計を適用した場合の法人税申告書の別表調整を含めた税効果会計の全体像を自動集計するExcelテンプレートを作成しました。 今回は貸倒引当金繰入超過額の税効果会計の適用について当ブログで配布しているExcelテンプレートを使って、次の三点について解説します。 税効果会計の仕訳 税効果会計適用後の損益計算書の末尾 税効果会計を適用した場合の法人税申告書別表調整 貸倒引当金繰入超過額とは まず最初に、貸倒引当金繰入超過額とは、法人税法に規定されている貸倒引当金繰入限度額を超えて会計上、貸倒引当金を繰り入れ ...