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勤務税理士。税務はもとより資金繰り、財務関係も詳しいです。休日に植物いじるのが趣味。法人税法合格済。

税効果会計とは

2024/12/29

法定実効税率とは?法定実効税率を計算するExcelテンプレートの配布

法人の所得に対する税金としては法人税が最も一般的ですが、実は法人税以外にも法人の所得を課税標準とする税金が3つあります。それが地方法人住民税、法人住民税、法人事業税です。 法定実行税率(ほうていじっこうぜいりつ)とは、法人税だけでなく、その地方法人住民税、法人住民税、法人事業税といった法人税以外の法人の所得を課税標準とする税金を加味した所得に対して課せられる税金の総合的な負担割合をいいます。 さらに詳しく書きますと、法人住民税や法人事業税は全国一律ではなく、法人が所在する都道府県によって異なります。 しか ...

税効果会計とは

2025/1/23

税効果会計導入の必要性とその背景

税効果会計導入の背景 ある事業年度において、重要な一時差異が発生した場合に税効果会計が適用されていないときは、一時差異の発生事業年度と一時差異の解消事業年度の両方の事業年度において損益計算書上、実効税率とはかけ離れた法人税等の額が計上されてしまいます。 なぜなのかはこちら↓ つまり、一時差異により、会社の業績とは無関係に損益計算書の最終利益である当期純利益が乱高下してしまう結果になります。これは会社の公表する財務諸表の数字を見て株式投資を行なっている投資家にとってはとても困ることです。 端的にいいますと以 ...

税効果会計とは

2024/12/29

税効果会計導入の会社側のメリット

税効果会計導入は会社が公開している損益計算書などの財務諸表をもとに意思決定を行っている投資家にとっては言うまでもなく非常にメリットが高いものです。 しかし、実は税効果会計は導入する会社側にとっても高いメリットがあります。したがって導入義務のない中小企業であっても近年は税効果会計の導入するのが一般的になってきました。 税効果会計導入の会社側のメリット 税効果会計を適用すると基本的には繰延税金資産が発生します。仕訳にするとこんな感じ。 (借方)繰延税金資産(貸方)法人税等調整額 そして繰延税金資産とはその名の ...

税効果会計とは

2024/12/28

法人税の計算の仕組み

法人税の計算の仕組み 法人税の計算はまともに書くと本一冊必要になるレベルで複雑です。したがって、法人税の計算の仕組みについてざっくり説明しますと法人税は会社の儲けに対して法人税率を乗じることで算定されます。 法人税の課税所得と会計上の利益は異なる そしてその「儲け」とは法人税法上の所得の金額であり、会計上の利益とは異なります。 確定決算主義 法人税法における課税所得は、株主総会の承認を受けて確定した決算に基づく会計利益を基礎として算出されます。これを確定決算主義といいます。 「確定した決算」に基づき申告書 ...

税効果会計とは

2025/1/11

税効果会計を適用している場合の損益計算書

法人税の課税所得の計算 法人税の課税所得は、損益計算書の最終利益である当期純利益をもとに、法人税別表四において法人税法の規定による加算・減算調整を行う方法により計算されます。 なお、税効果会計を適用している場合には損益計算書に「法人税等調整額」という項目が追加されますので単純に当期純利益を使うのではなく、その分の調整も必要になります。簡単に図解で解説すると次のとおりです。 法人税の課税所得の計算の具体例 税効果会計を適用していない場合、適用している場合における法人税の課税所得の計算を図解すると次のとおりで ...

税効果会計とは

2024/12/28

税効果会計を適用していない場合の損益計算書

毎期1,000万円の利益が見込まれる甲という会社があり、実効税率を40%とすると甲社の損益計算書の末尾は毎年次のようになります。   ×2期 ×3期 ×4期 5期 税引前当期純利益 1,000 1,000 1,000 1,000 法人税等(40%) 400 400 400 400 当期純利益 600 600 600 600   そして×6期において有価証券評価損500万円を計上し、その翌年×7期にその株式を売却して売却損500万円を計上したします。評価損は法人税法上費用として認められな ...

税効果会計とは

2024/12/28

税効果会計の納税額への影響

税効果会計を適用すると法人税等の額が適切に期間配分されることにより、損益計算書の当期純利益が適正な金額に調整されます。したがって法人税等の額そのものが増加又は減少していると錯覚しそうになります。 しかし税効果会計はあくまでも法人税を差し引いた後の当期純利益を適切に表示するための損益計算書における調整に過ぎず法人税等の納税額そのものには一切影響ありません。   税効果会計を適用しても法人税の計算に影響はない 税効果会計を適用しても法人税の納税額そのものには一切変更はありません。税効果会計はあくまで ...

税効果会計とは

2025/1/11

繰延税金資産

繰延税金資産とは、税効果会計を適用している場合において、将来減算一時差異が生じたことにより発生した法人税の前払いでその差異が解消する会計期間まで繰延処理するために貸借対照表に計上された資産です。 法人税率が引き下げられると企業業績が下がる? ここ数年ずっと法人税率の引き下げが頻繁に行われています。法人税率が引き下げられると企業側にとっては法人税の負担が減少するため普通に考えればプラスのメリットがあるはずです。 しかし、よくニュースでよく耳にするのが、法人税率引き下げによって業績の下方修正を行ったというもの ...

税効果会計とは

2025/1/11

税効果会計の手順

税効果会計の大まかな手順 税効果会計の手順ははっきり言いましてかなり難しいです。したがってざっくり大まかに解説すると次のとおりです。 税効果会計はまず最初に一時差異と法定実効税率を把握するところから始めます。次にその一時差異に法定実効税率を乗じることで繰延税金資産を算出します。 一時差異が将来減算一時差異である場合には法定実効税率を乗じると繰延税金資産となりますが、一時差異が将来加算一時差異である場合には法定実効税率を乗じると繰延税金負債となります。そのうち繰延税金資産についてはその差異が解消すると見込ま ...

税効果会計の対象

2025/1/11

将来加算一時差異

一時差異とは、この会計と税務のズレのうち、いずれ解消するものをいいます。いずれ解消する差異であるから一時的な差異=一時差異です。 一時差異は将来減算一時差異、将来加算一時差異、スケジューリング不能な一時差異に分類されます。 今回はそのうち将来加算一時差異について解説です。 将来加算一時差異とは 将来加算一時差異とは一時差異のうち、当該一時差異の解消時において課税所得を増額する効果を持つものをいいます。 将来加算一時差異は発生時に税務調整によって課税所得から減算し、その解消時に利益積立金に加算されることによ ...