毎期1,000万円の利益が見込まれる甲という会社があり、実効税率を40%とすると甲社の損益計算書の末尾は毎年次のようになります。
×2期 | ×3期 | ×4期 | 5期 | |
税引前当期純利益 | 1,000 | 1,000 | 1,000 | 1,000 |
法人税等(40%) | 400 | 400 | 400 | 400 |
当期純利益 | 600 | 600 | 600 | 600 |
そして×6期において有価証券評価損500万円を計上し、その翌年×7期にその株式を売却して売却損500万円を計上したします。評価損は法人税法上費用として認められないため課税所得の計算において申告加算され、甲社の税引前当期純利益は次のようになります。
×5期 | ×6期 (評価損) |
×7期 (売却損) |
×8期 | |
税引前当期純利益 | 1,000 | 500 | 500 | 1,000 |
法人税等(40%) | 400 | 400 | 0 | 400 |
当期純利益 | 600 | 100 | 500 | 600 |
このように税効果会計を適用していない場合に評価損のような一時差異が発生すると税引前当期純利益と当期純利益とに対応関係がいびつになり損益計算書の期間比較性が歪んでしまいます。
ちなみに法人税の計算根拠は次のとおりです。×6期に評価損否認500加算、続く×7期に評価損否認認容500減算の調整あり。
×6期:(500+500)×40%=400
×7期:(500-500)×40%=0