税効果会計について簡単にやさしく解説
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税効果会計の仕訳等





税効果会計とは

税効果会計とは

税効果会計とは、会計と税務にズレがある場合に法人税等の額を適切に期間配分することにより、税引前当期純利益法人税の額等とを合理的に対応させることを目的とする会計上の手続きをいいます。

例えば貸倒引当金繰入超過額がある場合、その超過額は会計上の費用とはなりますが法人税法上損金とはなりません。したがって会計側からみればその分税額が過大に計算され税金の前払いが生じることとなります。この場合にその税金の前払いについて繰延税金資産として資産に計上する一方、同額の法人税等調整額を損益計算書の法人税等の額から減算することで損益計算書の法人税等の額を会計上あるべき金額に調整します。

仕訳にすると次のようになります。✕✕の金額部分はこちらのように計算します。

借方 貸方
繰延税金資産 ✕✕ 法人税等調整額 ✕✕

ちなみに損益計算書の末尾は次のようになります。

税引前当期純利益 ✕✕✕
法人税等
法人税等調整額
✕✕✕
▲✕✕
✕✕✕
当期純利益 ✕✕✕

以上で税効果会計の会計上の処理は終了です。しかし実務的には税効果会計を適用する場合にはさらに税務上でも一定の調整が必要となります。


税効果会計を適用した場合の税務調整は会計処理上の話ではなく、あくまで法人税法上の話です。したがって税効果会計に関する解説書では通常解説されていません。しかし当サイトにおきましてはこの税務調整についても網羅的に解説を行っています。


税効果会計の具体例

税引前当期純利益1,000円、貸倒引当金繰入超過額500円、実効税率35%の会社があったとします。

この場合に 税効果会計の適用がない場合(従来の会計基準)の損益計算書は実効税率35%に対して52.5%もの法人税等が控除されて当期純利益が475円と計算されており、当期の正しい収益力を示しているとはいえません。

それに対して税効果会計を適用している場合の損益計算書は当期純利益が650円と、税引前当期純利益1,000円から適正に実効税率35%に相当する法人税等350円が控除されて計算されています。これが税効果会計です。

税効果会計が導入された背景

このように税効果会計を適用している場合に「貸倒引当金繰入超過額」のような会計上の利益と法人税計算上の課税所得に差異が発生しているときは、損益計算書において法人税等の額を適切に調整され、税引前当期純利益と法人税とが合理的に対応されます。

税効果会計の目的



税効果会計の計算Excelテンプレート

税効果会計の仕訳、税効果会計適用後の損益計算書、税効果会計の税務調整を自動表示する税効果会計のエクセルシートを公開しています。他で有料販売されているものより高機能なものを当サイトでは完全無料で公開しています。



税効果会計の計算

税効果会計の調整対象

税効果会計でその調整の対象とするのは上記の具体例のとおり会計上の利益課税所得との差異です。しかし差異とはいってもこの差異にはいずれ解消するもの(一時差異)と永久に解消しないもの(永久差異)とがあります。このうち税効果会計の対象とするのはいずれ差異が解消するもの(一時差異)だけです。詳細はこちらをご覧ください。



税効果会計の手順

税効果会計は、まず一時差異を把握し、その一時差異法定実効税率を乗じることで法人税等調整額を計算し、それを損益計算書上で調整するというのが基本的な流れになりますが、実際には資産として計上される繰延税金資産の回収可能性の検討も必要です。



税効果会計のメリット等

税効果会計導入のメリット

税効果会計を新たに適用すると9割方は繰延税金資産が貸借対照表の資産の部に計上されることになります。つまり純資産が増加します。純資産が増加すると対外的な財務健全性があがり銀行融資を受けやすくなるといったメリットがあります。



税効果会計が導入された背景

ある事業年度に重要な一時差異が発生し税効果会計が適用されていないときは、一時差異の発生事業年度とその解消事業年度の両方において税引前当期純利益に実効税率を乗じた金額とは本来会計上のあるべき法人税等とはかけ離れた法人税等が損益計算書に計上されてしまいます。つまり、会社の業績とは無関係に損益計算書の最終値である当期純利益が乱高下してしまいます。そのような不都合を是正するため、税効果会計が会計基準として導入されるに至りました。



税効果会計の適用により利益が増える?

こちらの具体例では、税効果会計を適用することにより損益計算書の当期純利益が税効果会計適用前の475円から650円へと増加しています。したがって、税効果会計を適用することにより会社の利益が増えたと錯覚しそうになりますがそれは間違いです。

具体例では一時差異が発生した事業年度だけを見ていますが、実際には一時差異が解消する事業年度においても税効果会計の調整が行われます。つまり下の図解のように税効果は最終的に必ずプラスマイナスゼロになり、トータルで見ると損益計算書の利益に全く影響はありません。


税効果会計の適用により利益が増える?


税効果会計の適用により法人税の納税額が変わる?

税効果会計を適用すると損益計算書の税引前当期純利益から控除される法人税等の額が増加または減少します。したがって税効果会計の適用により法人税等の納税額が増加又は減少すると錯覚しそうになりますがそれも間違いです。

税効果会計はあくまでも法人税等を差し引いた後の当期純利益を適切に表示するための損益計算書における調整に過ぎないため、法人税等の納税額そのものには一切影響がありません。



法人税等調整額の計算

税効果会計はとても複雑です。しかしやってることは単純です。つまり、適正な期間損益計算の観点から会計上の利益と税務上の利益との差額(一時差異)を将来の税負担の観点から当期純利益の計算上、一定の調整を行なっているだけです。混乱したときにはこの基本に立ち返って頭を整理するのがおすすめです。

参考までに法人税等調整額の計算フォームは次のとおりです。金額は自由に変更可能です。


一時差異
法定実効税率 法人税等調整額

税効果会計の意義


税効果会計の対象


税効果会計の手順


税効果会計の適用







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