税効果会計について簡単にやさしく解説


税効果会計とは

税効果会計とは

税効果会計とは、会計と税務にズレがある場合に法人税等の額を適切に期間配分することにより、税引前当期純利益法人税の額等とを合理的に対応させることを目的とする会計上の手続きをいいます。

例えば法人税の計算で「減価償却繰入超過額」がある場合、その超過額は会計上費用として計上していますが法人税法上損金とはならないため会計と税務にズレが生じます。ズレが生じると損益計算書の当期純利益から差し引かれる法人税等の額が会計上のあるべき金額とは異なる金額となり損益計算書の期間比較性が損なわれてしまいます。そこでその差額を調整して損益計算書の期間比較性を確保するのが税効果会計です。

具体的な税効果会計の処理は次のようになります。

借方 貸方
繰延税金資産 ✕✕ 法人税等調整額 ✕✕

ちなみに損益計算書の末尾は次のようになります。

税引前当期純利益 ✕✕✕
法人税等
法人税等調整額
✕✕✕
▲✕✕
✕✕✕
当期純利益 ✕✕✕

なお、差異が解消する事業年度においては上の処理と全く逆の会計処理を行います。



※無料Excelテンプレート

実務上、税効果会計を適用した場合には法人税の計算においても別表上で一定の調整が必要となりますが、その調整は会計とは関係がないため、一般の税効果会計の解説書には解説されていません。しかし当サイトではその別表調整についても解説を行っています

しかし別表調整はかなり大変です。そこで税効果会計の仕訳、別表調整等全てを一括して自動計算するエクセルシートを作成しました。かなり便利だと思います。他のサイトで有料販売されているものより高機能だと思います。ちなみに完全無料です。




法人税等調整額の計算

税効果会計はとても複雑です。しかしやってることは単純です。つまり、適正な期間損益計算の観点から会計上の利益と税務上の利益との差額(一時差異)を当期純利益の計算上、一定の調整を行なっているだけです。混乱したときにはこの基本に立ち返って頭を整理するのがおすすめです。

参考までに法人税等調整額の計算フォームは次のとおりです。金額は自由に変更可能です。


一時差異
法定実効税率 法人税等調整額


税効果会計の計算

税効果会計の調整対象

税効果会計でその調整の対象とするのは会計上の利益と税務上の利益(課税所得)との差異ですが、その差異にはいずれその差異が解消するものと永久に解消しないものがあります。このうち税効果会計が対象とするのはいずれ差異が解消する一時差異だけとなります。詳細はこちらをご覧ください。



税効果会計の手順

税効果会計は、まず一時差異を把握し、その一時差異法定実効税率を乗じることで法人税等調整額を計算し、それを損益計算書上で調整すると同時に繰延資産を計上するというのが基本的な流れになりますが、資産として計上される繰延税金資産についてさらに回収可能性の検討という手順も必要となります。



税効果会計のメリット等

税効果会計導入のメリット

税効果会計を新たに適用すると9割方の会社は繰延税金資産が貸借対照表の資産の部に計上されることになります。つまり純資産が増加します。純資産が増加すると対外的な財務健全性があがるため銀行融資を受けやすくなるといったメリットがあります。



税効果会計の適用により法人税の納税額が変わる?

税効果会計を適用すると損益計算書の税引前当期純利益から控除される法人税等の額が増加または減少します。したがって税効果会計の適用により法人税等の納税額が増加又は減少すると錯覚しそうになりますがそれも間違いです。

税効果会計はあくまでも法人税等を差し引いた後の当期純利益を適切に表示するための損益計算書における調整に過ぎないため、法人税等の納税額そのものには一切影響がありません。


税効果会計の意義


税効果会計の対象


税効果会計の手順


税効果会計の適用



税効果会計の仕訳






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